@kedamatti's diary

米山知宏の思考メモです(専門は、知/情報/自律的な組織づくり/プロジェクトマネジメント/ナレッジマネジメント/コミュニケーション/オープンガバメント/民主主義/市民参加/シビックテック)

政策立案パターン・ランゲージ:自ら「知」を生み出すプロセスを通じた「学習」と「組織変革」

昨年(2019年)の夏から、「政策の作り方を作る」という活動を新潟市役所と新発田市役所の有志メンバーと行っている。 以前から知人と「地域シンクタンク」を作りたいという話をしていたのだが、テーマを検討する中で「行政が良い政策を作るためにはどうすれ…

周年日記のすすめ

飽きっぽい私が、ずっと日記を書き続けられている「周年日記」というスタイルがあるのだが、とてもオススメなので書いてみたいと思う。 周年日記は、同じ日付の日記を同一のページに書き加えていくものである。 私の場合は、Scrapboxというツールを使って日…

2016年に読んだオススメ本(20冊)

すでに1月3日になってしまったけれど、2016年の読書を振り返って、勝手にオススメの本を20冊紹介したい。 ちょうど一年前(2015年に読んだオススメ本(20冊) - @kedamatti's diary)にも書いたように、「以下にあげるものは、今年読んだ本の中で特に印象に…

【議員NAVI連載】議員のためのインテリジェンス〜データ・エビデンスに基づく政策立案(RESAS、Open Government、Open Policy Making)

議員NAVI(第一法規)に「議員のためのインテリジェンス」と題して、政策立案におけるRESAS・データの活用方法や、データに基づく政策立案や市民参加型の政策立案(Open Government, Open Policy Making)を進めていく上での議員の役割・振る舞い方などにつ…

ファジーなオープンガバメント —曖昧さ・余白が生み出す市民自治—

必要なのは、ファジーな社会参加を許容するような「ゆるさ」である。同時に、政治に対する適切な理解も不可欠である。政治に対する過度な期待と幻滅は、政治を適切に理解できていないという点では同一のものである。政治にできること・できないことをきちん…

選挙の後が大事

参議院選挙の前日ですが、思いつくままに何点か。 まず、今回、ある候補者に投票をした理由をメモしておくと良いかと思います。過去のどのような実績を評価したのか。今後の政策のどこに期待をしたのか。参議院の任期は6年。6年もたてば投票した理由を忘れて…

ファジーなオープンガバメント—曖昧さ・余白が生み出す市民自治—

雑紙「行政&情報システム」の6月号に、オープンガバメントをテーマに寄稿をさせて頂きました。 ファジーなオープンガバメント—曖昧さ・余白が生み出す市民自治— (目次:http://www.iais.or.jp/ja/wp-content/uploads/2016/06/mokuji-06.pdf) 市民参加、協…

日本公共政策学会の全国大会に参加して。

昨日出席していた日本公共政策学会について、ちょこっとメモを。 プレゼン資料はこちら。 オープンガバメント・オープンガバナンス時代の社会参加モデル(日本公共政策学会・発表資料、米山知宏) from Tomohiro Yoneyama www.slideshare.net …

「Code for xxx」などのボランティア組織こそ、マネジメントが重要(勝手にオープンガバメント論シリーズ)

オープンガバメントを推進する団体として、「Code for xxx」に代表されるような民間の集まりがある。それらは自発的な有志の集まり(=まさに、ボランティア組織)であるが、そのようなボランティア組織が成果を出していくためには「マネジメント」を意識す…

ちばレポの運用状況の簡単な分析結果(ちばレポのオープンデータから)

昨日(2016/3/4)、千葉市が「ちばレポ」に関するオープンデータを公開した。 www.city.chiba.jp 昨日のタイミングで公開されたのは、今日(3/5)がIODD2016(International Open Data Day 2016)だからではないかと勝手に妄想しているが、ちばレポも粋なこ…

【RESASの活かし方(2)】人口分析をもう少し深堀りする

さて、「【RESASの活かし方(1)】まずは人口分析から - @kedamatti's diary」では、人口分析の入口として、自然動態・社会動態の動きをRESASを活用して分析した。第2回は、「社会動態」を少し深掘りして分析をしてみたい。今回も分析対象は長野県の原村であ…

【RESASの活かし方(1)】まずは人口分析から

「地域経済分析システム(RESAS)」については、国もマニュアルを提供しているが、機能的な説明が中心で、実際に使うシーンを想定したものにはなっていない。 操作マニュアルダウンロード - RESAS 地域経済分析システム 実際にデータを分析するとしたらRESAS…

「オープンマインド」とは何か?(勝手にオープンガバメント論シリーズ)

オープンガバメントやシビックテック界隈では、しばしば「オープンマインドが大事」という指摘がなされるが、このオープンマインドとは具体的にどういうものなのか考えてみたくなったので、書いてみる。 オープンマインドは、「開放的であること」「多様性を…

参加を求める前に、まずは自ら参加せよ(勝手にオープンガバメント論シリーズ)

「市民参加の場を設置しても、誰も参加してくれない」と嘆いている暇があったら、 行政自ら市民の場に出ていけば良い。 それだって、立派な「協働」である。 そして、自ら出て行けば、今度は、相手がこっちに来てくれるようになる。 相手に求める前に、自ら…

オープンガバメントは、<デザイン思考>という思考形態と<オープンイノベーション>というコミュニケーション形態を組み込んだ社会参加形態(勝手にオープンガバメント論シリーズ)

先日、オープンガバメントの本質は「水をさすこと」(勝手にオープンガバメント論シリーズ) - @kedamatti's diaryと書いたが、 では、具体的にどのように「水」はさされるのか。 その役割を担うのが、「デザイン思考」と「オープンイノベーション」である。…

オープンガバメントの特徴②【参加の方向性の転回】(勝手にオープンガバメント論シリーズ)

オープンガバメントの特徴の2点目としては、「オープンガバメントの特徴① 【参加の場の多様化】 - @kedamatti's diary」で述べたように参加形態が多様化したことにより、「参加の方向性の転回」が見られるようになったことが指摘できる。 従来、「参加」と言…

オープンガバメントの特徴① 【参加の場の多様化】(勝手にオープンガバメント論シリーズ)

オープンガバメントの特徴の1点目は、参加形態が多様化してきたということです。 Change.orgに代表されるような自らの意思を表す場は「直接的参加」の機会を生みだしましたが、意思決定プロセスに直接参加するのではなく、意思決定プロセスの場づくりに参加…

オープンガバメントの本質は「水をさすこと」(勝手にオープンガバメント論シリーズ)

オープンガバメントの本質は、日本社会のいわゆる「空気」に対して「水をさす」ところにある。 「データ」は、そのコミュニティの常識に対して水をさし、「参加」は、そのコミュニティの意思決定の場や意思決定の対象そのもの(=慣習)に水をさしうるところ…

2015年に読んだオススメ本(20冊)

今年もあと3日ということで、今年読んだ本を振り返ってみようと思う。 勝手に20冊をご紹介。 以下にあげるものは、今年読んだ本の中で特に印象に残っているものだが、私の本の読み方は適当なので、みんな同じ深さ・頻度で読んだ訳ではない。じっくり一度だけ…

「オープンガバメント」とは何か?

Code for Niigata の米山です。 この記事は、オープンデータやオープンガバメントをテーマにした、「オープンデータ Advent Calendar 2015 - Qiita」企画の21日目の原稿です。他の記事は下記から見られるようになっています。ぜひ、ご覧ください。 qiita.com…

「がっかり」の先にある「魅力」−1つのまちあるき論−

昨日11/28に、Code for Niigata では、新潟市が主催する“がたまる”アイデアソン&ハッカソンの1コマをお手伝いして、マッピングパーティーを開催した。 Code for Niigata が運営するマッピングパーティーは、今回が2回目となる。1回目は2015年8月に「トマソ…

パリのテロに関するアメリカ政府とイギリス政府のTwitterでの情報発信(11月14日11時時点のメモ)

(11/14、11時時点) パリのテロについて、日本政府のTwitterから何も情報発信されていないことに対する批判が出ていたので、アメリカ政府とイギリス政府のTwitterを覗いてみた。 ■日本政府のTwitter 首相官邸 (@kantei) | Twitter ■アメリカ:ホワイトハウ…

長岡オープン&ビッグデータ活用研究会での講演

昨日は「長岡オープン&ビッグデータ活用研究会」にお邪魔してきました。この界隈で活動する身として、研究会を立ち上げて取り組んでいこうという姿勢が嬉しかったですし、オープンデータやオープンガバメントに対する長岡のポテンシャルを感じることができ…

アプリ:新潟で本を楽しむ

素人アプリ作りの第二弾ということで、先日の「新潟市内の農産物直売所マップ」(http://kedamatti.hatenablog.jp/entry/2015/05/25/220649)に続きまして、本を楽しめる場所マップを作ってみました。 新潟で本を楽しむ アプリ自体は、素人のものですので、…

地方の商店街にもいるドアマン

今日、ある商店街のオシャレカフェに1人で入ろうと、ドアを開けたときのことである。 私は、推定年齢40代半ばの女性4名の襲撃を受けた。 店員A「ほにゃらら街歩きですか?」 オイラ(突然の襲撃でよく聞こえなかったが)「は、はぁ」 店員A「歩いて来たんで…

記憶の先に

記憶は、過去のものではない。それは、すでに過ぎ去ったもののことではなく、むしろ過ぎ去らなかったもののことだ。とどまるのが記憶であり、じぶんのうちに確かにとどまって、じぶんの現在の土壌となってきたものは、記憶だ。 これは、長田弘さんの詩集「記…

「創る・造る・作る」を生み出す『燕三条トライク』

ずっと気になっていた「燕三条トライク」に、今日やっとお邪魔することができたので、写真を中心にご紹介。 シェアスペース&ライブラリー 燕三条トライク まず「燕三条トライク」とは何か。 一言で言えば「シェアスペース」なのだけれども、そこはやはり燕…

新潟市のオープンデータを使って、アプリを作ってみた

Code for Niigata の記念すべき第1作が本日リリースされたというタイミングで大変申し訳ないのであるが、こっそり、新潟市のオープンデータを使ってアプリ(新潟市内の農産物直売所マップ)を作ってみたのでご報告。 新潟交通バスの時刻表検索アプリ 本題に…

「加茂本」の魅力

新潟界隈でちょいと話題になっている「加茂本」というフリーペーパーがある。 ざっくり言えば、新潟県加茂市の商店街の若者が地域の魅力を伝えることを目的として作成した無料の冊子で、ジャンルとしてはフリーペーパーになると思われるが、それはフリーペー…

オープンガバメント・オープンガバナンスが生み出す新しい社会参加の形

文末に貼り付けているスライド(http://www.slideshare.net/kedamatti/20150329-46413063)は、ちょっと前にオープンガバメントについてまとめたものだけれど、関連してふと思ったことをメモしておく。 ---------- 個人的な関心もあり、「民主主義」「市民参…