オープンガバメントの特徴②【参加の方向性の転回】(勝手にオープンガバメント論シリーズ)
オープンガバメントの特徴の2点目としては、「オープンガバメントの特徴① 【参加の場の多様化】 - @kedamatti's diary」で述べたように参加形態が多様化したことにより、「参加の方向性の転回」が見られるようになったことが指摘できる。
従来、「参加」と言えば「市民が政府の場に参加すること」を意味していたが、昨今は「政府が市民の場に参加する」というような取組が見られるようになった。代表的な取組としては「マニフェストスイッチプロジェクト」があげられる。
「マニフェストスイッチプロジェクト」は、選挙時に市民がマニフェストのフォーマットを定め、そのフォーマットにもとづくマニフェスト作成を候補者に要請するという取り組みである。マニフェストは過去10年程度の取り組みの中で、十分でないながらも普及してきたが、そのフォーマットは候補者に任されていた。そのため、マニフェストは、容易に比較できないなど、有権者にとって必ずしも意思決定に有効な素材にはなっていなかったが、マニフェストスイッチプロジェクトはその課題を解決しうるものである。
「参加の方向性の転回」はマニフェストスイッチプロジェクト以外にも見られる。たとえば、政府がTwitterやFacebookなどのソーシャルメディアを使うようになってきたことも、広い意味ではそこに位置づけられるのではないか。
行政はプラットフォームたるべきという意味で「Government as a Platform」と言われることもあるが、民間が開発したプラットフォームに乗らざるを得なくなってきたということも事実だろう。その意味では、「Government as a Platform on Civic Platform」と言ってもよいかもしれない。