@kedamatti's diary

米山知宏の思考メモです(専門は、知/情報/自律的な組織づくり/プロジェクトマネジメント/ナレッジマネジメント/コミュニケーション/オープンガバメント/民主主義/市民参加/シビックテック)

宇治のおもてなし

先週の金曜日から日曜日にかけて参加させてもらった千代田さくらまつりのイベント。


地域SNSの繋がりをきっかけに、宇治の人たちが千代田で物産展を開くことになり、そのお手伝いをさせてもらった。


神保町の交差点で宇治のお団子やらお茶やらを売った。それが本当に楽しかった。


宇治に住んでいた訳でもないし、千代田に来るメンバーも2回会ったことがあるだけ。それだけなのに、神保町を歩いているお客さんに、美味しい宇治の団子を食べて欲しくて、味わいのある玉露を飲んで欲しくて、本当の味なんて何も知らないくせに「美味しいよ〜」「いかがですかー」なんていいながら、宇治の人たちと一緒になって売っていた。


その時は何とも思わなかったけど、よく考えれば不思議。
千代田に勤務しているだけの単なるサラリーマンが、宇治の名産物を千代田で売る。仕事でもない。お金が貰えるわけでもない。でも、本当に楽しい。なんだこりゃ。


自分としては、ただただ、宇治の人たちの笑顔を見たかった。それだけ。千代田に来て、少しでも楽しいと感じて貰いたかったし、また来たいと思って貰いたかった。


なぜ?


それは、宇治の人たちが自分に対してそうしてくれたから。
宇治に行った2回とも、人の家に泊めさせて貰い、あり得ないほどのもてなしをしてもらった。そのもてなしは、本当に半端じゃない。みんなで寄ってたかって、もてなしてくれる。宇治の人たちにとってみたら普通なことなのかもしれないけど、自分にとっては、衝撃を受けるほどのもてなしだった。


なんでこんな若造にそこまでしてくるのかなぁ、、、なんて考えてみたものの、よく分からない。ただ、「もてなすってのは、こういうことだよ」と強く教えられたような気がした。


今回、少しお手伝いをさせてもらったが、宇治の人たちから見たら「もてなし」の「も」にもならなかっただろうな。


でも、自分にとっては色々な発見があった。


千代田区に勤務する普通のサラリーマンは、千代田に対して何の想いもないと言う。会社がたまたまそこにあるだけで、千代田に対しては、「好きでも嫌いでもない」というのが正直なところだろう。
仮に千代田に興味があって、千代田区の色々な場所を訪れて、たくさんの知識を持っていたとしても、あくまでも「お客さん」という立場に過ぎない。


でも、それが、他の地域の人を招いた瞬間に、「好きでも嫌いでもない」という想いから、「自分の千代田」というように千代田に対する思いが変わる。お客さんではいられなくなる。


今回、宇治の方々と交流して、何となく好きだったに過ぎない千代田が、自分の街のように感じられた。千代田のことがより現実感を持って感じられるようになった。千代田をより好きにもなったし、正直言えば、ダメな部分も見えてきた。でもこれはいいことなんだと思う。


千代田区は、多くの昼間住民を抱える。彼らが千代田区へ興味を持つきっかけは、別の地域の人を招くことではないだろうか。友達を招いてみる、親を招いてみる、同じ会社で地方に勤務している人を招いてみる、仕事で知り合った人を招いてみる。行き先はどこでもいい。来てくれる人が一番喜んでくれるであろうところを考え、連れて行ってみる。それだけで、千代田に対する印象は変わってくるのではないだろうか。


それにしても、もてなすはずが、またこっちが色々と宝物を貰ってしまった。
この借金、どうやって返すかな。