「言葉」って何??(その1)

「実名・匿名問題」についてちょこっと考えていたら、そもそも言葉って何なの?と思い始めて、何冊か本を読んでみました。

まずは、「教養としての言語学(鈴木孝夫)」

著者によると、広い意味の言語としての「記号」は、「自然記号」と「人為記号」に分けられる。

○自然記号

・入道雲を見たとき、その色や形が美しいとか、雲それ自体に注意を向けるのではなく、いま目にしている雲を手がかりとして、やがて来る夕立のことを思うとき、雲が夕立の記号(sign)として働いていると言う。

・諸事象、つまり雲と夕立、煙と火の記号的なつながりを支えているものは、どちらの場合も自然の因果関係。

○人為記号

・記号と、それが表し示す事柄との相互関係が、自然記号のような因果関係や、高い共起の蓋然性などに支えられているものではなく、人為的社会的な、一種の取り決めに基づく記号である。

・交通信号は、世界中どこに行っても、進んで良いときは青、停止の合図は赤と決まっている。しかしこの赤色と停止、青色と進行の結びつきはあらためて言うまでもなく、自然の因果関係でもなければ、人間にとって本能的生理的なものとも言えない。

○人間の言語は一部の擬声語や擬態語をのぞき、だいたいは社会的な慣習による取り決めの性質をもつ記号体系だと、一応は考えられている。

ただ、言語を理解するためには「動物の言語」まで含める必要があると言う。

ことばを記号論的な観点から考察するということは、人間の言語だけを何か特別に優れたものと見ることをやめて、生物の個体同士が相互人、広い意味での交渉を持つ際に用いる伝達手段(コミュニケーション)の一つとして見ることである。

著者は、蜜蜂のコミュニケーションと人間のコミュニケーションを比較する中で、言語の特徴を明らかにしている。

・蜜蜂は仲間に餌のある場所を教えるために、あるダンスをする

・そのダンスは、飛行する角度によって「餌場と巣箱と太陽との角度」を表現し、踊りの速さによって「餌場と巣箱との距離」を表現し、ダンスの持続時間によって「密を取りに行くべき仲間の数(つまり、餌の規模)」を示したりしている。

つまり、蜜蜂もある記号とその意味が一致しており、それをベースにコミュニケーションをとっているのである。ただ、このようなコミュニケーションの取り方だと、伝達できる情報量に限界がある。

一方人間の場合は、記号と記号内容(意味)の関係が必然的な固定性を持っていない(つまり人為記号)ため、より多くの情報量を伝達することが可能ということらしい。

当たり前のように使っている言葉だけど、奥が深いですな。
実名・匿名問題からはどんどん離れつつあるけれど(笑)、ま、しょうがない。