@kedamatti's diary

米山知宏の思考メモです(専門は、知/情報/自律的な組織づくり/プロジェクトマネジメント/ナレッジマネジメント/コミュニケーション/オープンガバメント/民主主義/市民参加/シビックテック)

本:臨死体験

ぼくはこんな本を読んできたを読んでから、立花隆に対する興味が沸いてきたので、さっそく立花の本を買いあさってみた。

臨死体験〈上〉
臨死体験〈下〉
・宇宙からの帰還
立花隆・100億年の旅
・100億年の旅・3 脳とビッグバン 生命の謎・宇宙の謎
・宇宙・地球・生命・脳―その原理を求めて
・精神と物質―分子生物学はどこまで生命の謎を解けるか

まずは、臨死体験

生死の境をさまよった多くの人が意識を戻した際に、様々イメージを見たと言う。ただ、このイメージは人によって大きく違う。三途の川であったり、お花畑であったり、自分が住んでいた家であったりする。

本書では、これらの現象が、ただの「脳内現象(生きている状態で日々見る「夢」のようなもの)」であるのか、それとも、「現実体験(魂が体から離れて「現実」として見る現象)なのかを科学的に明らかにしていこうとしている。

この問について、結局結論は出ないのだが、その過程が非常におもしろい。

例えば、現実体験説を否定しきれないものとして、以下の話が取り上げられていた。

ある患者が病院で生死の境を彷徨いながら、あるイメージを見た。患者自身(体は病院にある)が実家に行って、「ある場所」から家に入ろうとしたという。その時、現実として実家に住んでいる家族が、患者がイメージの中で入ろうとしていた「ある場所」から物音がして、本人が入ってきたような感覚がしたという。それで、家族が病院に電話をかけ、患者本人と話をしたら、両者のイメージが一致していたというのである(著者曰く、この話は、後から無意識にイメージが作られた可能性もあり、100%正しいということはできない。また、「100%信じ切れない」というのは、この話に限ったことではない)。

「死」とかを全く考えたことがなかったので、まずこのような事実そのものに驚かされたし、また、脳内現象説、現実体験説のどちらなのか?と追及していくところも緊迫感がありおもしろい。

高校時代は全く興味がなかったけど、今さら哲学を勉強してみたいな、と。

オススメ度:★★★★☆(星4つ!)