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ちばレポの運用状況の簡単な分析結果(ちばレポのオープンデータから)

OpenGov

昨日(2016/3/4)、千葉市が「ちばレポ」に関するオープンデータを公開した。
www.city.chiba.jp

昨日のタイミングで公開されたのは、今日(3/5)がIODD2016(International Open Data Day 2016)だからではないかと勝手に妄想しているが、ちばレポも粋なことをするものである。真偽のほどは分からないが、こうやって、市民主体の活動に行政も関わろうとする姿勢は本当に素晴らしい。
さて、ちばレポについては、データで状況を探ってみたいと常々思っていたので、お礼として、このオープンデータをもとに、ちばレポの状況を簡単に整理してみたいと思う。

なお、公開されたオープンデータは以下の4つで、データ対象期間は「平成26年9月16日(運用開始)から平成28年2月29日まで」である。

(1)ちばレポレポートデータ
(2)ちばレポコメントデータ
(3)ちばレポ参加登録者データ
(4)ちばレポオープンデータに関する説明書

ユーザ数

まず、登録ユーザ数は、3,615ユーザである。
(出典:ちばレポ参加登録者データ)

今回公開されたオープンデータからは登録ユーザの性別や居住地などの属性は分からないが、千葉市が公開している「ちばレポ(ちば市民協働レポート)平成27年2月月間報告書」によれば、登録者の男女比は約3:1(男性は約75%:女性は約25%)で、登録者の居住地は千葉市内が約84%、千葉市外が約16%となっている。

レポート投稿件数

続いて、レポート投稿件数を見ると、このオープンデータの対象期間では1,873件の投稿が行われている。運用期間は約18ヵ月であるため、1ヵ月あたり100件程度の投稿数である。投稿された1,873件のテーマを見ると、「道路」「公園」「ごみ」「その他」のうち、「道路」に関するものが全体の4分の3近くを占めている。
f:id:kedamatti:20160305213133j:plain (出典:ちばレポレポートデータ)

レポート解決率

では、投稿されたレポートのうち、どの程度が解決されているのか。
1,873件の投稿のうち解決済のものは1,621件であり、レポート解決率は86.5%という状況である。様々な解決要望が出される中、非常に高い解決率である。
(出典:ちばレポレポートデータ)

解決に要した日数

次に、投稿されたレポートの解決に要した日数を見たい。「ちばレポレポートデータ」には、投稿日時(ReportDateTimec)と対応完了日(CompleteDatec)があり、その差分を見ることで解決に要した日数を把握することができる。(下図)

f:id:kedamatti:20160305215954p:plain

これを見ると、5件に1件(22.3%)は3日以内に解決し、5件に2件(41.6%)は1週間以内に解決している。つまり、半数近くのものが1週間以内に解決しているのである。そして、1ヵ月以内に解決するものは75.7%であり、時間がかかっているものでも数ヵ月のうちに大半のものは解決されている。感覚的なものであるが、これには、非常に迅速な対応が行われているという印象を受ける。

コメントレスポンスタイム

最後に、投稿されたレポートに対してコメントのレスポンスを行うまでの日数(コメントレスポンスタイム)を確認したい。下図は、公開されたオープンデータから、レポートが投稿された日時(ReportDateTimec)とコメントが作成された日時(CreateDateTimec)から、コメントのレスポンスに要した日数を確認したものである。なお、ここでは分析を簡易的に行うため、それらのデータのうち時間情報は無視し、日付データのみで分析している。

f:id:kedamatti:20160305220307p:plain

上図の分析結果によれば、3日以内にコメントが返信されたレポートの割合は46.0%とほぼ半数を占める。ちばレポのFAQに「投稿内容や件数によりますが、レポート日の翌日から3日以内(土・日・祝祭日を除く。)に公開することを目標にしています。」と書かれているように、ちばレポでは「3日間」を確認・受付期限の目安としているが、コメントのレスポンスタイムも半数程度はその3日間が守られている状況である。そして、4件に3件は2週間以内にコメントのレスがあり、2ヶ月程度の間には9割以上のレポートに対して何かしらのレスが行われている。

まとめ

今回公開されたオープンデータには、千葉市役所としての対応状況など、あまり積極的には公開したくないはずの情報も含まれているが、そのようなデータを公開したことをまず何よりも評価したい。そして、以上でまとめたように、実際の対応状況も、最初のレスポンスを迅速に行うなど、評価できるものであった。
ところで、行政サービスは当然のことながらコストがかかるものである。サービスの量が多ければ良いというものではないし、サービスの質も高ければ良いというものでもない。サービスレベルの妥当性は、地域に暮らす人たちによる直接的・間接的な議論の中で合意されるべきものであるが、そのような議論を行う際に、今回ちばレポが公開したようなオープンデータは不可欠な素材である。

【RESASの活かし方(2)】人口分析をもう少し深堀りする

さて、「【RESASの活かし方(1)】まずは人口分析から - @kedamatti's diary」では、人口分析の入口として、自然動態・社会動態の動きをRESASを活用して分析した。第2回は、「社会動態」を少し深掘りして分析をしてみたい。今回も分析対象は長野県の原村である。

転入者の属性

長野県原村では、これまで、転入者数が転出者数を上回る「転入超過」となっていることが多かったが、まずは、転入者の属性について確認したい。

最初に見たいのは、年齢別の転入数である。トータルの転入数が同じだとしても、若い転入者が多いのか、それとも年配の転入者が多いのかで、当然、検討すべき戦略は変わってくる。RESASを確認してみると、「年齢階級別純移動数の時系列分析」というグラフが提供されているが、これは「転入者数から転出者数を減じたもの」、つまり差引した人口増減数を示したものである。このグラフでは、転入者数・転出者数のそれぞれのデータは確認できないため、元の統計データ(統計局ホームページ/住民基本台帳人口移動報告)を確認する。

統計局ホームページ/住民基本台帳人口移動報告 統計表から辿っていくと、「年齢(5歳階級),男女別他市区町村からの転入者数-全国,都道府県,市区町村」という統計表があり、各自治体ごとに5歳階級別の転入者数を把握することができる。下図は、原村を対象にそのデータをグラフ化したものである。

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これを見ると、15歳~39歳までの若い年齢層の転入者数が多いことが分かるが、当然のことながら、その割合は東京などの都市圏と比べると小さい(東京都は、総転入者数に占める15歳~39歳の割合が7割程度だが、原村の場合は5割程度)。
原村の転入状況で特徴的なのは、15歳~19歳の占める割合が他の自治体に比べて高いことである。たとえば、東京都は4%であり、お隣の諏訪市は3%であるが、原村の場合10%という状況である。この要因としては、原村にある「八ヶ岳中央農業実践大学校」への就学によるものか、もしくは、農業への就職などが仮説としては考えられるが、正しく把握するためには別のデータが必要である。

転出者の属性

一方、転出者数を年齢別にみると下図のようになる。

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転出者数については、20代の多さが際立っている。先ほどの転入者数のグラフと比較すると、20代は転出超過の状況である。15歳~19歳は転入数の方が多いが、その後、20代では出て行ってしまっている。仮説になるが、この要因としては大学等の学校卒業後の「就職」に問題がありそうである。

なお、以上の転入者数と転出者数の差分(=純移動数)を時系列で分析したものが以下のRESASのグラフだが、15〜19歳→20〜24歳のところの転出超過数が拡大傾向にあることが分かる。

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転入者の「転入先」

次に、話を転入者に戻して、彼らが具体的にどこの地域に転入しているのか、ということを確認したい。転入先のエリアは、仮説的に転入の理由を把握することもできる要素である。
ここでは、国勢調査データの中から、「基礎自治体(市区町村)よりも小さな地域単位において集計された統計」である「小地域統計」を用いる。小地域統計にもいくつかのデータ項目があるが、移動については「移動人口の男女・年齢等集計に関する集計」から確認することができる。

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小地域統計から転入先地域を分析すると、地域によって、転入の実情に大きな違いがあることが分かる。たとえば、地域Lや地域Oは他県からの転入者の割合が非常に高い一方で、地域Gや地域Kは長野県内からの転入者が多くなっている。また、地域Bは国外からの転入者の割合が高く、地域Fは原村内から異動してきた人の割合が比較的高い。これらの情報は、まちづくりやプロモーションを考える上で、非常に重要な情報である。国外からの転入者が多い地域は、おそらく農業従事者だろうか。県外からの転入者が多い地域は、ペンション暮らしにあこがれる比較的高齢な世代であろうか。一方、原村内からの異動が多い地域は、どのような理由からだろうか。その地域に暮らす人であれば、おそらくこれらの要因を感覚的に把握しているのではないかと思われるが、小地域統計の別のデータを参照することで、仮説的に検討することが可能である。その点について、以下で簡単に触れたい。

常住地による従業地・通学地

小地域統計には「常住地による従業地・通学地」というデータもある。これは、「移動・異動」に関するデータではないが、移動・異動の要因を検討する上でのヒントを提供してくれるものである。

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他県からの転入が多かった地域Lは、住民の75%が学生で、転入者も学生であることが想像される。国外からの転入割合が高かった地域Bの住民は、半分が「自宅で従業」している方であり、国外からの転入者はおそらく農業に従事する方であると仮説できる。また、原村内からの異動割合が高かった地域Fは、通学者(しかも県内他市町村への通学者)の割合も他地域より高いが、何かしら関係があるのもしれない(通学するための交通手段の関係だろうか?)。

まとめ

このように、その地域に住んでいない者であっても、いくつかのデータを複合的に見えていくことで、地域の様子が徐々に見えてくる。小地域統計には他にも有用な統計が整備されているので、その地域で生活している住民・行政職員であれば、より効果的に活用できると思われる。もちろん、小地域統計でなく、自治体単位のデータを用いれば、他自治体との比較も可能である。また、各自治体の住民基本台帳データも有益な情報源である。いずれにしても、まずはRESASを入口として基本的な状況を把握しつつ、問題認識に応じて、元となる統計・データを多角的に分析していくことで、自分たちの地域を立体的に把握することができるし、ここにアンケート調査などの情報を加えれば、より具体的に地域の実態を理解することができるだろう。

【RESASの活かし方(1)】まずは人口分析から

「地域経済分析システム(RESAS)」については、国もマニュアルを提供しているが、機能的な説明が中心で、実際に使うシーンを想定したものにはなっていない。

操作マニュアルダウンロード - RESAS 地域経済分析システム

実際にデータを分析するとしたらRESASをどう使うべきか、さらに、RESASに掲載されていないデータをどこから持ってきてどう分析するか、ということを整理することにはそれなりの意義がありそうなので、何回かに分けてまとめてみようかと思う。

ところで、RESASを活用した分析例は、たとえば以下のコンテストにあるように、すでにちょこちょこ公開されている。それらは各地域の課題を明らかにし、さらには政策提言に繋げるために分析されたもので、参考になる点が多い。ここでは、そのような実際の分析例も適宜参照しながら、まとめられればと思う。
expo.nikkeibp.co.jp

地域を知るには何はともあれ「人口データ」からということで、まずは人口分析について書きたい。なお、対象が長野県原村なのは、私の祖父母が暮らしているということだけであって、他意はない。八ヶ岳山麓にあるとても素晴らしい地域である。

人口構成&人口推移

まず、原村は大体このあたり(↓)で、人口は2010年時点で7,573人。早速余談になるが、この数は、全国の村(183村)の中で、24番目に多い人口だそうである。 (出典:日本の村の人口順位 - Wikipedia

f:id:kedamatti:20160215215502j:plain (出典:RESAS)

さて、RESASでは人口構成もすぐに分かる。

f:id:kedamatti:20160215215533j:plain (出典:RESAS)

人口ピラミッドの形は、日本全体の人口と同じように「釣鐘型」となっているが、RESASでは2040年の人口ピラミッドも確認することができ、「つぼ型」に移行していく。どちらのピラミッドにおいても、「20~24歳」で男女ともに人口の落ち込みが見られ、高校卒業後や大学卒業後の転出者が多くなっていることが仮説として考えられる。


f:id:kedamatti:20160215215550j:plain (出典:RESAS)

2010年時点で7,573人だった人口は、それまでどのように推移してきたのだろうか。RESASでは、人口の推移も簡単に把握できる。
上のグラフからは、原村の人口のピークが2010年あたりにあったことが分かる(※5年ごとの国勢調査データのため、2010年にピークがあったとは限らない)。
年齢3区分別人口(年少人口:15歳未満人口、生産年齢人口:15~64歳人口、老年人口:65歳以上人口)を見ると、年少人口は1995年、生産年齢人口は2010年をピークに減少傾向にある。これは、日本の総人口の場合、年少人口は1980年、生産年齢人口は1995年にピークを迎えていることを踏まえれば、良い状況と言えるかもしれない。

人口推移の要因(自然動態・社会動態)

次に、人口推移の要因を探るため、「自然動態」と「社会動態」に分けて考えるが、これについてもRESASがグラフを提供している。

f:id:kedamatti:20160215215622j:plain (出典:RESAS)

上図は、出生数・死亡数 / 転入数・転出数をまとめて表示したもの。下2本が「自然動態」を表していて、「黄色」の折れ線が出生数、「紫」の折れ線が死亡数を表している。一方、上2本は、「緑」の折れ線が転入数、「赤」の折れ線が転出数ということで、これらが「社会動態」を表している。原村の場合、「自然動態」については死亡数が出生数を上回っており、その差が拡大している傾向にあるが、一方の「社会動態」については転入数が転出数を上回っている年も多く、移住者が増えている村としてしばしばメディアで取り上げられていたことを裏付ける結果となっている。ただ、これだけでは転入にしても転出にしても詳しいことは分からないので、もう少し詳細な分析が必要である。

まとめ

今回はまず入口ということで、人口動態の基本的な部分についてRESASを活用して分析した。非常に基本的なデータではあるが、RESASが無ければ、これらの状況を押さえるためには「国勢調査」のみならず「住民基本台帳人口移動報告」なども見なければならず、それなりに手間はかかる。誰でも簡単に基本的な統計データにアクセスしやすくしてくれたという点で、RESASの価値は大きい。

次回は、人口動態をもう少し深掘りして分析すべく、RESASに掲載されていないデータも使いながら、分析を進めたいと思う。RESASは良くも悪くも統計データのインデックスツールなので、RESASだけで終わることなく、個々が感じる疑問に沿って、元の統計データに当たっていくと、良い分析ができる(幸い、RESASにはデータの出典が明記されている)。本コラムのタイトルを「RESASの使い方」ではなく「RESASの活かし方」としているのは、そのような意図があるからである。

「オープンマインド」とは何か?(勝手にオープンガバメント論シリーズ)

OpenGov

オープンガバメントやシビックテック界隈では、しばしば「オープンマインドが大事」という指摘がなされるが、このオープンマインドとは具体的にどういうものなのか考えてみたくなったので、書いてみる。

オープンマインドは、「開放的であること」「多様性を受け入れる」などを意味するものであるが、そこには、他者が侵入してくることを拒まないという意味での「内向きのオープンマインド性」と、「自ら相手の懐に入っていく」「外の世界に出ていく」という意味での「外向きのオープンマインド性」があるように思われる。

市民参加の取り組みを見ていると、行政側が「市民参加の場を用意しているのに、市民が全然参加してくれない」と言っているケースを目撃する。この状況は、「内向きのオープンマインド性」を(形式的には)有しているが、一方の「外向きのオープンマインド性」という点では不十分である。市民参加の目的が市民と行政の対話にあるのであれば、行政が市民の場に自ら出ていくことも、対話という目的を実現する重要な手段である。

では、「内向き&外向きのオープンマインド性」があれば十分だろうか。
そうではない。

もう一つ必要な要素は、2方向のオープンマインド性を備えた上で、常に、批判されうる可能性・変更せざるをえない可能性を受け入れる姿勢である。これこそが、オープンマインドの本質ではないか。

いくら、内向き&外向きのオープンマインド性を持っていたとしても、批判を受け入れず、また、自身が変更することを受け入れる姿勢を持っていなければ、それは形式的なオープンマインド性を有しているにすぎない。

自身が、批判されうる存在であるとともに、変更可能性を受け入れる姿勢を持っているからこそ、対峙している相手も、オープンマインドであろうとするのではないか。

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参加を求める前に、まずは自ら参加せよ(勝手にオープンガバメント論シリーズ)

OpenGov

「市民参加の場を設置しても、誰も参加してくれない」と嘆いている暇があったら、
行政自ら市民の場に出ていけば良い。

それだって、立派な「協働」である。
そして、自ら出て行けば、今度は、相手がこっちに来てくれるようになる。

相手に求める前に、自ら動くべし。

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オープンガバメントは、<デザイン思考>という思考形態と<オープンイノベーション>というコミュニケーション形態を組み込んだ社会参加形態(勝手にオープンガバメント論シリーズ)

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先日、オープンガバメントの本質は「水をさすこと」(勝手にオープンガバメント論シリーズ) - @kedamatti's diaryと書いたが、
では、具体的にどのように「水」はさされるのか。

その役割を担うのが、「デザイン思考」と「オープンイノベーション」である。
つまり、思考形態としての<デザイン思考>が、「課題は何か」という問いを発することで、課題自体に水をさし(=課題の再定義)、コミュニケーション形態としての<オープンイノベーション>が、「誰とイノベーティブな解を考えるのか」という問いを発することで、課題の検討プロセスに水をさす(=課題の解決方法の再定義)。

地域において「デザイン思考」と「オープンイノベーション」を機能させるためには、市民社会の活動が重要になる。横浜市や神戸市など、オープンイノベーションを積極的に進めている自治体もあるが、多くの自治体はそうではない。そのような地域では、市民側が「水をさす」役割を担い、課題自体から問い直していかなければならない。

オープンガバメントの3原則とされる「透明性・参加・協働」も、盲目的に受け入れるのではなく、そのような観点から考える必要があるのではないか。

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オープンガバメントの特徴②【参加の方向性の転回】(勝手にオープンガバメント論シリーズ)

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オープンガバメントの特徴の2点目としては、「オープンガバメントの特徴① 【参加の場の多様化】 - @kedamatti's diary」で述べたように参加形態が多様化したことにより、「参加の方向性の転回」が見られるようになったことが指摘できる。

従来、「参加」と言えば「市民が政府の場に参加すること」を意味していたが、昨今は「政府が市民の場に参加する」というような取組が見られるようになった。代表的な取組としては「マニフェストスイッチプロジェクト」があげられる。

マニフェストスイッチプロジェクト」は、選挙時に市民がマニフェストのフォーマットを定め、そのフォーマットにもとづくマニフェスト作成を候補者に要請するという取り組みである。マニフェストは過去10年程度の取り組みの中で、十分でないながらも普及してきたが、そのフォーマットは候補者に任されていた。そのため、マニフェストは、容易に比較できないなど、有権者にとって必ずしも意思決定に有効な素材にはなっていなかったが、マニフェストスイッチプロジェクトはその課題を解決しうるものである。

「参加の方向性の転回」はマニフェストスイッチプロジェクト以外にも見られる。たとえば、政府がTwitterFacebookなどのソーシャルメディアを使うようになってきたことも、広い意味ではそこに位置づけられるのではないか。

行政はプラットフォームたるべきという意味で「Government as a Platform」と言われることもあるが、民間が開発したプラットフォームに乗らざるを得なくなってきたということも事実だろう。その意味では、「Government as a Platform on Civic Platform」と言ってもよいかもしれない。

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